

ヘバーデン結節とはCOLUMN
ヘバーデン結節とはCOLUMN
ヘバーデン結節とは
へバーデン結節は、指の第一関節(DIP関節)が変形し、曲がってしまう原因不明の疾患です。 この病気を最初に報告した医師、へバーデンの名前にちなんで名付けられました。指の第一関節の背側中央にある伸筋腱付着部を挟んで、2つのコブ(結節)ができるのが特徴です。特に40歳以上の女性に多く発症する傾向があります。

1.症状と進行
へバーデン結節の主な症状は、以下の通りです。
①痛みと腫れ: 指の第一関節に痛みや赤み、腫れが生じます。特に、関節内の炎症や軟骨のすり減り、骨の変形によって引き起こされます。
②変形と曲がり: 指の第一関節が変形し、曲がっていきます。進行すると、指の曲げ伸ばしがしづらくなったり、痛みを伴い手を強く握るのが難しくなったりします。
③ミューカスシスト: 第一関節の近くに水ぶくれ(ミューカシストまたは粘液嚢腫)ができることがあります。これは関節液が外に膨らんだもので、関節の袋とつながっているため、自己判断で潰さないように注意が必要です。
④爪の変形: 爪の変形を伴うこともあります。
初期症状: 痛みや腫れ以外にも、手指の違和感やこわばりを抱く場合があります。痛みを感じない方も珍しくありません。初期症状は徐々に治まり、10年程度かけて変形が進むケースが大半です。
2.原因
へバーデン結節の明確な原因はまだ特定されていませんが、いくつかの要因が影響していると考えられています。
①手の酷使: 手を使いすぎることにより、手指に繰り返し負担がかかったり、長期間負荷がかかり続けたりすると、発症しやすい傾向があります。特に、小指でスマートフォンを持つ動作が小指のへバーデン結節を誘発することもあるため、スマホはできる限り両手で操作するよう意識することが推奨されています。
②遺伝: 遺伝による発症は証明されていませんが、親族にへバーデン結節を発症している人がいる場合、指先に繰り返し負担をかけないよう注意が必要です。
③女性ホルモンの乱れ: 更年期の女性に多いことから、女性ホルモン(エストロゲン)の減少が関係しているという説があります。エストロゲンは関節や軟骨の健康を保つ働きがあるため、その減少によって関節が弱くなり、炎症や変形が起こりやすくなると考えられています。
3.診断
へバーデン結節の診断は、以下の方法で行われます。
①視診・触診: 指の第一関節の変形、突出、痛み、腫れ、熱感、動きの悪さなどを確認します。
②X線検査(レントゲン): 関節の隙間が狭くなったり、関節が壊れたり、骨棘(こつきょく)があればへバーデン結節と診断できます。X線検査は、関節リウマチなど似た症状を持つ他の疾患との鑑別にも役立ちます。
4.治療と予防
へバーデン結節の治療は、主に保存療法が行われます。
①保存療法:
安静: 痛みを伴う場合は、手指を休ませることが大切です。
薬物療法: 痛みや炎症を和らげるために、消炎鎮痛薬(ロキソニンなど)や湿布が用いられます。症状が強い場合はステロイド注射が使われることもありますが、長期の使用には注意が必要です。
固定: テーピングやサポーター、金属のリングなどで関節を固定し、安定させます。
アイシング: 炎症が強い場合には、アイシングも有効です。
②温熱療法: 痛みを和らげる目的で、温熱療法が用いられることもあります。
③モヤモヤ血管の塞栓術: 慢性炎症に伴う異常な血管(モヤモヤ血管)を塞栓(ふた)することで、炎症を改善し痛みを緩和する治療法もあります。
④手術療法: 関節の変形が著しく、保存療法で改善しない場合は手術が検討されます。
関節形成術: 出っ張った骨(結節部、骨棘)や水ぶくれ(嚢胞)を切除する手術です。
関節固定術: スクリューネジを挿入して第一関節の前後の骨を固定する手術です。固定した関節は曲げられなくなりますが、痛みはなくなります。
予防: 普段から手指に過度な負担をかけないようにすることが大切です。第一関節に痛みがあるときは、手指をできるだけ使わないようにし、安静を保ちましょう。


